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包丁の研ぎ方

包丁の研ぎ方

包丁というのは、日常的に手入れをすることによって切れ味や寿命を大きくのばすことが出来る道具です。ただし、きちんと手入れをしていないとあっと言う間に錆びてしまったり、使っている間に切れ味が落ちてしまったりします。
 
包丁を研ぐだなんて職人でなければできないと思うかもしれませんが、きちんと基本を知って練習すれば子供でもできる作業です。片刃と両刃で少し手順は変わりますが、研ぎ方の基本を知っていればどんな包丁でも研ぐことが出来るようになります。

 

今回はこれから本格的に包丁の手入れをしたい、良い包丁があるので長く使っていきたい、今家で使っている包丁の切れ味が鈍ってきて困っている。そんな研ぎ初心者に向けて包丁の研ぎ方の基本をレクチャーしていきます。

 

目次

  1. 包丁の片刃と両刃
  2. 包丁の切れ味とは
  3. 包丁を研ぐには砥石が一番
  4. 包丁の研ぎ方

包丁の片刃と両刃

レクチャーを始める前に、まずは包丁そのものについて少し知っておきましょう。包丁のことをきちんと知っていないと、頑張って包丁を研いだ結果、ますます切れない包丁になってしまうこともあるのです。

 

片刃の包丁

包丁は片刃と両刃の二種類に分けられます。片刃の包丁というのは、出刃包丁柳刃包丁といったいわゆる和包丁と呼ばれるものです。片刃なので、刃の断面は直角三角形になっています。きゅうりを薄く輪切りにする時や野菜の皮をむく時に扱いやすいという特徴を持っています。

 

両刃の包丁

一方両刃の包丁というのは、牛刀などを始めとした洋包丁です。刃の断面は二等辺三角形に近いものだと考えてください。とは言っても、両刃の包丁がすべて完璧な二等辺三角形になっている訳ではなく、包丁によってはやや片刃に近くなっているものもあります。

 

両刃の包丁は食材を切る時に真上から狙いをつけやすいという特徴を持っています。

 

包丁の研ぎ方どちらが優れているということはありません。
片刃は野菜や果物皮をむく、魚をさばく時に便利ですが、両刃でもできます。

両刃は食材をまっすぐ両断するのが簡単ですが、片刃の包丁でも慣れてしまえば簡単にできるようになります。目的やご自分の好みによって使い分けるのが正しい包丁の扱い方です。

 

もしもこれから本格的な包丁が欲しいと思っているのであれば、肉、魚、野菜に使うことができる三徳包丁を一本選べば間違いありません。三徳包丁は大体両刃ですが、どうしても両刃だと使いにくいという場合は、片刃に研ぎ直すことも可能です。

 

包丁の切れ味とは

包丁は食材を切るものです。そんな包丁の切れ味というのは、実は二つの要素でできていることをご存知でしょうか。

 

どうして包丁は良く切れるのか。

 

その理由は二つ、刃先が鋭く、目に見えないくらいの小さなギザギザがあるからです。

 

刃先の鋭さというのはイメージしやすいでしょう。極端な話、厚みが1cmある鉄の板では食材を切ることはできません。しかし、刃先が鋭く尖っている包丁ならば食材を切ることができます。

 

刃先が丸まっているよりも鋭くなっている方が食材に食い込みやすく、抵抗が少ないのでその分切れ味が良いという訳です。

 

目にみえないくらいの小さなギザギザというのは、少しイメージがしにくいかもしれません。良く研いである包丁というのは、一見すると綺麗にまっすぐ刃が立っています。しかし実際には、刃先がのこぎりのようにギザギザしているのです。

 

どんなに切れ味の良い包丁でも、まな板は一刀両断することができませんよね。まな板を切るのであれば、包丁を使うよりものこぎりを使った方が良く切れます。刃先がギザギザしていると、刃を押し込んだり引いたりする時にうまい具合にひっかかるため良く切れるのです。

 

鋭さが足りなければそもそも食材を切ることができません。刃先が目に見えないくらい小さなのこぎり状になっていなければ、食材に刃先が引っかからず、表面を滑るだけで食材を切ることができません。

 

包丁を研ぐには砥石が一番

包丁の手入れグッズは様々ありますが、鋭さとのこぎり刃の両方を刃先につけるためには、砥石を使う必要があります。シャープナーなどを利用することで刃先を鋭くすることは可能ですが、包丁の刃をのこぎり刃にすることはできないので、一時的に切れ味が復活してもすぐに切れ味が鈍ってしまうのです。

 

砥石はざらざらしていますよね。その不規則な目によって、研いだ時に包丁の刃先にのこぎり刃がつくのです。

 

それでは、包丁を研ぐために使う砥石について少し説明していきましょう。

 

砥石は人工のものと天然のものとに分けられます。ただし、養殖のマグロより天然のマグロの方が高くて美味しいように、天然砥石は貴重で高く、一般家庭で使うことはまずありませんので、考えなくて良いです。

 

人工砥石の材質はレンガのような色をしたものからセラミック、ダイヤモンドを使ったものまで様々です。砥石の材質を気にしなくても大抵の包丁は研ぐことができます。

 

ただし、ステンレス製の包丁を使っている場合、ステンレスは硬いので研磨力の弱い砥石ではしっかりと研ぐことができないことがあります。ステンレス製の包丁を研ぎたいのであれば、研磨力の強いセラミック砥石を選ぶと良いでしょう。

 

包丁の種類

砥石の種類は、大きく分けると三つです。紙やすりのように、目の粗さによって荒砥(あらと)中砥(なかと)仕上げ砥(しあげと)という三つに分けられます。

 

では、それぞれの砥石の役割を説明しましょう。

 

荒砥(#200前後)

一番目の荒い砥石です。包丁の刃が欠けていたり刃こぼれをしていたりするなど、包丁が大きく傷ついている時に使います。

 

中砥(#1000前後)

荒砥よりも目が細かい砥石です。包丁の切れ味が鈍ってきた時に使うもので、最も良く使う砥石でもあります。

 

仕上げ砥(#3000前後)

三種類の砥石の中で最も目の細かい砥石です。荒砥で大まかに刃先を整え、中砥で切れ味を回復した後、更に切れ味を上げるために使います。

 

本来は目的によって三つの砥石を使い分けます。ただし、日常的に包丁を研ぐのであれば三つ全部を揃える必要はありません。中砥を一つ用意すれば十分です。中にはリバーシブルで荒砥と中砥、中砥と仕上げ砥が一緒になっているものもあります。

 

中砥は刃物店はもちろん、お近くのホームセンターなどでも手に入ります。高価なものは上を見だすとキリがなく、10万円を越えるものもありますが、余程の高級品でもない限り1000円~2000円ほどで購入することができるので安心です。目の粗さは#○○という数字で見分けることができます。

砥石が複数あって迷った時は、中砥にあたる#1000か#1200のものを選びましょう。

 

砥石は使い込めば使い込むほど良く使う中央の部分が削れ、丸く凹んでいきます。凹んでしまった砥石ではどう頑張ってもきちんと包丁を研ぐことができませんので、砥石を平らにならすための面直し砥石というものも購入しておきましょう。面直し砥石は、大体1500円くらいで購入できます。

 

包丁の研ぎ方

では、実際の包丁の研ぎ方について、六つの手順でレクチャーしていきます。

 

包丁の研ぎ方用意するもの

・包丁

・砥石

・砥石が入る容器

・タオル

 

手順1~砥石に水を含ませる~

始めにボウルや洗面器など、砥石がそのまま入るサイズの容器を用意しましょう。砥石をぶつけて割ったりしないように静かに容器の中に入れ、砥石全体が水につかるまでたっぷりと水を張ります。

 

ほとんど水に濡らさなくて良い砥石も中にはありますが、基本的に砥石を使用する時は水に濡らしておきましょう。乾燥した砥石でいきなりガリガリと包丁を研ぎ始めると、刃先は簡単に欠けてしまいますので注意が必要です。

 

およそ20分から30分ほど水につけることによって砥石が水分を吸収して表面が滑りやすくなり、きちんと研ぐことができるようになります。いちいち水を用意するのが面倒だという方は、水を張った容器に砥石を入れっぱなしにしておいても大丈夫です。

 

手順2~砥石が動かないように固定する~

砥石を使って包丁を研ぐのですが、砥石そのものにはすべり止めなどはついていません。包丁を研いでいる最中に砥石が動くと、研ぎにくいですし危険です。ですので、たっぷりと水を染み込ませた砥石が動かないように対策をしましょう。

 

使うのはタオル一枚で十分です。砥石の下に濡れタオルを敷けば固定することができます。砥石を固定するためのグッズも販売されていますが、わざわざ購入しなくてもタオルで十分です。

 

手順3~包丁を用意する~

いよいよ包丁を実際に研ぐ方法に入りましょう。右利きの方であれば刃先を左、柄を右にしてご自分の前に包丁を置きます。刃は手前、つまり自分の方へと向けた状態です。包丁を研ぐ際に柄の先の方を持っていると危ないので、包丁の柄は利き手でしっかりと握るのが基本です。

 

包丁の柄を握りこみ、親指を使って包丁の側面を押さえましょう。左手は指を伸ばし、包丁の側面を押さえます。余り刃先に近いところを押さえると怪我をしてしまいますので、気を付けましょう。

 

手順4~包丁の『表』を研ぐ~

包丁の刃には、表と裏があります。包丁を持った手の外側が表、内側が裏です。片刃の包丁も両刃の包丁も、この表側を主に研ぐことになります。

 

包丁は砥石に対して斜め、45度くらいで当てましょう。この時気をつけたいのは、包丁の刃を砥石に当てる角度です。角度が深すぎると刃が欠けたり、切れ味が鈍る原因となってしまいます。逆に角度が浅すぎると、研ぎ終わるまでに時間が掛かってしまいます。適正な角度は10度から15度くらい、目安としては10円玉が2,3枚挟める程度です。

 

この角度をきちんと固定できないと、刃先を鋭くすることができず包丁を研ぐ意味がなくなってしまいます。どうしても苦手だという方は、包丁に取り付けて角度を固定出来る便利グッズなどもありますので探してみると良いでしょう。

 

左右の手で包丁を押さえ、砥石に刃を当てて包丁を研いでいきます。力を入れすぎると、やはり刃が欠ける原因になります。包丁を押す時に軽く力を入れ、引く時はごく軽く、リズム良く研ぐのがコツです。刃の角度を変えないように、また、研いだ回数もきちんと覚えておくようにしましょう。両刃の場合は、裏も同じ回数研がないとバランスが悪くなってしまいます。

 

20回ほど軽く研ぐと、砥石が削れて泥のようなものが出てきます。これは、包丁を上手に研ぐための潤滑剤ですので、洗い流したりせずそのまま包丁を研ぎましょう。この泥が出て来てからが本番です。

 

水気が無くなってきたら少し水を足し、ひたすら研ぎます。十分に表が研げると、刃が毛羽立った状態(かえり)になります。包丁の刃先を裏側から指で触り、毛羽立っていれば成功です。

 

表の刃全体が毛羽立つまで、研ぐ位置をずらして研ぎましょう。

 

手順5~包丁の『裏』を研ぐ~

表側の刃から裏側へかえりができていることを確認したら、今度は持ち手をかえて包丁の裏を研いでいきます。右手で柄を握ったまま刃を奥側へと向けて研ぐのも良いですし、左手で柄を握り、右手を添えて刃を手前に向けたまま研いでも構いません。

 

片刃の場合は2,3回軽く研いでかえりを無くすだけで終わりですが、両刃の場合は表と同じ回数を目安に研いでいきます。

 

包丁の裏を研ぐ時は、表にかえりが出来ていないか確認しながら行ってください。かえりが出来ていたら、仕上げです。

 

手順6~仕上げ~

裏のかえりは表を軽く2,3回研いで無くします。かえりが無くなっていることを確認したら、きちんと研げているかを確認しましょう。

 

適当な野菜を用意し、切ってみましょう。問題なく研げていれば、切れ味は研ぐ前とは比べ物にならないくらい良くなっているはずです。後は使用した砥石や容器などを片付け、包丁は錆びないように水気を拭きとっておきましょう。鋼の包丁は水分を残しているとすぐに錆びてしまいますし、ステンレスの包丁も錆びます。

 

包丁を研ぐ時の注意点

慣れない内は、包丁を研ぐ時の刃の角度は浅めにしておくと失敗しにくいのでおすすめです。ただ、余りにも薄く鋭く研いでしまうと切れ味が上がる変わりに刃こぼれしやすくなってしまいますので注意しましょう。

 

包丁を研ぐタイミングは決まっていません。毎日のように使う方なら月に数回、そうでもない方なら数ヶ月に一回で十分です。使っていて切れ味が悪くなってきたらこまめに研ぐようにしていれば、同じ包丁をずっと使うことができます。