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切り出しとは

kiridashi
子供の頃の思い出、切り出し

子供の頃、鉛筆の芯を削る時何を使っていましたか? こればかりは時代によって大きく違い、最近の子供たちなら電動の鉛筆削り以外は使ったことがないということもあるでしょう。しかし、大人の方にとっての鉛筆削りというと、やはり小さなナイフやカッターなどを使って行うものだったのではないでしょうか。

 
今回ご紹介する『切り出し』は、人によっては鉛筆削りに使っていたかもしれない刃物です。包丁の仲間というより、刃物の種類の一つ、ナイフの仲間と思った方が分かりやすいでしょう。
 
切り出しと言われてもピンと来ない方は多いはずです。誰もが知っているという刃物ではありませんが、切り出しという刃物の魅力についてご説明いたします。

目次

  1. 小型刃物・ナイフとは
  2. 切り出しの由来
  3. 一家に一本切り出しを

 

小型刃物・ナイフとは

切り出しというのは、現在使われている刃物の中でもかなり原始的な見た目をしている片刃の刃物です。刃物の源流に近い、と言っても良いでしょう。
 
切り出し基本的な形としては、手で握りこむことができるくらいの幅広の鉄板の先に斜めに刃がついているものを思い浮かべていただければ、それが切り出しです。とはいえ、一口に切り出しと言っても握りやすいように握りが曲がっているもの、木製の持ち手と鞘がついているもの、個人で握りをつけたもの、装飾に凝っているものなど、形や大きさには多少の違いがあります。
 
共通するのは、切り出しはどれも小型で、手元で細かな作業をするために生み出された刃物だということです。
 
人によっては、彫刻刀のような見た目をしている刃物、塗師屋包丁のような見た目をしている刃物と言えば分かりやすいでしょう。
 
非常に単純なつくりになっているため、頑丈で、作るのも簡単。その割に切れ味は抜群という優れた刃物なのです。
 

切り出しの由来

切り出しというのは、元々大工が木材を加工するために使っていた道具です。接ぎ木をするためにちょっと木材を割ったり切ったりするために使います。
 
木材を切るという目的のために作られたものなので切れ味は鋭く、刃先は非常に薄く鋭いものが一般的です。
 
そのため、冒頭でも触れた鉛筆削り用のナイフとして切り出しを使う場合も多かったのです。構造が単純で一般的な包丁やナイフと違って側面に刃がついていないので、鉛筆削りをする子供が怪我をする心配もあまりないという理由もありました。
 
このように元は大工道具として誕生した切り出しですが、構造の単純さから作るのが簡単で、尚且つ安全に使うことができ、更に切れ味も抜群であったことから、大工と関係のない一般家庭でも広く使われるようになりました。
 
今日にいたっては、小型の刃物でありながら工夫によって見た目の美しさを追い求めることができるため、観賞用、コレクション用途としての人気も高い刃物の一つです。
 

実用品としての切り出し

切り出しを台所で使うことはそうありません。しかし、切り出しは小さいので携帯しやすく、またシンプルなつくりだけに壊れにくく頑丈、なおかつ切れ味が良いので、実用品としてとてもおすすめの刃物です。
 
例えば、自宅で使うのであればそれこそ鉛筆削り用のナイフとして。またはちょっとした日曜大工のお供として。釣りが趣味だという方ならば、釣り道具と一緒に切り出しを持って行き、絡まった釣り糸や網などを切ったり、釣り上げた魚を簡単に捌いたりすることができるのです。
 
同じように、キャンプなどアウトドアな趣味をお持ちの方にとって便利な利用シーンが多いです。片刃で刃の面積も小さいため、切れ味が鈍ってきたときに研ぐのも簡単です。また、手に入れた市販の切り出しに、自分独自のこだわりで飾りを入れたり鞘や握りを誂えたりといった楽しみ方もあります。
 
高級なものから手頃なものまで様々あり、本格的な切り出しなら全鋼、本焼き包丁と同じ製造方法で作られるため、切れ味と丈夫さは折り紙つきです。安価なツールナイフのセットと比べれば、その頑丈さは一目瞭然です。
 

芸術品、コレクションとしての切り出し

切り出しは人気のある刃物です。その人気は実用的に考えて使いやすいというだけではなく、美術的要素やコレクションに加えたい方にとって嬉しいものを持っているところから来ています。
 
切り出しを美術的に見れば、単純なものは極めて単純で、無骨なつくりになっています。この切り出しの無骨さそのものを実用品としての美しさと捉える方もいますし、シンプルで小さな切り出しだからこそ、作り手の芸術性をいかに反映させるかという腕の見せ所だと考える方もいるのです。
 
実際に、切り出しの中でも装飾性も重視しているものは見た目が非常に美しく、また手間ひまかけて作られています。見た目だけで何も切れない刃物ということもなく、切り出しとしての能力を持ちながらいかに美しい刃物を生み出すことができるかを競っている訳です。これは、包丁や日本刀が美術品として評価されていることを考えると、ごく自然なことです。
 

切り出しはコレクションするのが楽

コレクターや好事家の方にとって嬉しいことに、切り出しは基本的に小さなサイズの刃物です。大きなものをコレクションするには、どうしてもそれなりのスペースが必要になります。ですが、小さな切り出しであれば大したスペースは必要ありませんし、同じ広さでもよりたくさん集めることができるのです。
 
小さいということは使っている鋼の量も少ないということ。基礎的な値段自体はお求めやすいということでもあります。いかにも見た目の綺麗な刃物というのは価格が高騰しがちですので、実用品として切り出しをコレクションしたいという方にとっては嬉しい要素の一つでしょう。
 
また、どんなものをコレクションする場合もそうですが、集めたものを集めっぱなしにしている訳にはいきません。楽器でもレコードでも本でも刃物でも、完全密封のショーケースに入れているのでもない限り、定期的にメンテナンスをする必要があります。特に、刃物は放っておくとしだいに錆びてしまうものですので尚更です。
 
コレクションのメンテナンスを考えた時、おおぶりのシースナイフをたくさん集めるより、小さな切り出しをたくさん集める方が楽なのです。小さい分研ぐのも楽だからです。
 
様々な理由があって、切り出しは観賞用としても人気があります。高いものは一本で軽く数万円を越すほどで、そこまで行くと趣味の世界と言って良いでしょう。
 

一家に一本切り出しを

切り出しは、一家に一本持っていて困る刃物ではありません。良いもの、特に芸術性の高いものは確かに手を出すには気が引けてしまうお値段ですが、それを差し引いても一般的な切り出しは安価で手に入りますし、実用的なので幅広い用途に対応することができます。
 
切り出し研ぐのも楽で、切れ味は良い。先端にしか刃がついていないので、通常のナイフより怪我をしにくい。個人的に使うだけではなく、子供を刃物に慣れさせるために使わせてみたり、切り出しで基本的な刃物の研ぎ方を教えたりと、一本あれば長く役立てていけるでしょう。本格的な包丁と同じ製法で作られているものならば、きちんと扱えば数年以上軽く保ちます。
 
無骨なものが好きな方はスタンダードなものを、こだわりのある方にはお眼鏡に叶うカスタマイズも対応できる。刃物に興味がある、包丁に興味があるという方は、より身近で使いやすい切り出しを知ったこの機会に、手に入れて使い心地を試してみてはいかがでしょうか。