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出刃包丁とは

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出和包丁の中でも特徴的な包丁の一つです。日本の和包丁はとても種類が多く、細かいものまで数えはじめると数十種類ではおさまりきらないのですが、出刃包丁を知らないという方はまずいないでしょう。

出刃包丁を扱ったことがないという方も、魚を捌いたり骨ごとぶつ切りにしたりするその用途をテレビで見たりしたことがありますよね。それだけ有名な出刃包丁ですが、実際に家に一本あるという方はそう多くありません。
知っているようで知らない出刃包丁について、この機会にご説明させていただきます。

目次

  1. 出刃包丁の形
  2. 出刃包丁の種類
  3. 出刃包丁の扱い方
  4. 初めての出刃包丁の選び方

 

出刃包丁の形

出刃包丁の特徴は、何と言ってもその無骨な形です。とにかく重くて分厚くて頑丈。他の包丁とは比べ物にならない存在感があります。鋭く尖った切っ先に刃の反り、片刃作りの包丁はいかにも良く切れそうな見た目です。
 
この形状は、魚をより効率的に捌くため、骨ごと両断することができるようにと考えられた形です。
 
出刃包丁魚を捌く時、適当に刃を入れる訳にはいきません。基本は三枚下ろしです。出刃包丁の切っ先が尖っているのは、切っ先が平らなものよりも魚の身に切り込みやすいからです。反りのついた刃先は魚の身を切り離すのにも、また体重と力を入れて思い切り食材を押し切るのにも向いています。
 
刃の幅が狭いより、幅が広い方が大きな魚を捌きやすく、幅の分多く金属を使って頑丈にできるので、出刃包丁はあれだけ重くて大きいのです。
 

出刃包丁が片刃である理由

出刃包丁が何故片刃なのかと言いますと、両刃づくりの包丁よりも片刃の方が頑丈だからです。魚を骨ごとぶつ切りにする、魚を捌くという扱い上、どうしても出刃包丁は手荒く扱うことになります。重さがあるため叩きつけるように扱う人もいるので、切れ味を保持しながら丈夫な包丁を作るには、片刃の方が適しているのです。
 
両刃は、切れ味を保つために刃の角度は浅くなりがちです。しかし片刃ならば、同じくらいの切れ味を考えながらも刃の厚みを保つことができます。この辺りは、適当に自分で両刃と片刃の断面図を絵に書いてみると分かりやすいでしょう。
 

出刃包丁の種類

出刃包丁に種類なんてあるのかと思われるかもしれませんが、一口に出刃包丁といっても色々あるのです。
 
大きなもの、テレビなどでよく見る刃渡り15センチ以上の出刃を、本出刃と呼びます。それより少し小さいものを相出刃、身卸出刃、舟行包丁。刃渡り9センチくらいのものを小出刃や鯵切りと呼びます。一体何が違うのでしょうか。
 

本出刃包丁

出刃包丁と言えばこれです。刃渡りの長いものだと、余裕で500グラムくらいあります。女性の方からすると、ちょっとしたダンベルです。とにかく重くて頑丈ですが、大きな魚を捌く時に使うくらいで、日常使いにするには刃渡り15センチくらいのものが限界です。
 

相出刃包丁、身卸包丁、舟行包丁

中出刃包丁という呼び方をされることもあります。本出刃と刃渡りそのものは大して変わりませんが、本出刃よりも薄く、刃の幅も狭めで見た目はスマートです。骨ごと切ることもできますが、どちらかと言うと魚を捌くことを重視している出刃包丁です。
 
そのため、家庭用に使うのであれば本出刃よりもこれらの薄めな出刃包丁の方が使いやすいです。
 
面白いことに、名前は相出刃に身卸、舟行とありますが、見た目の違いはほとんどありません。包丁を作っているところが「これは相出刃だ」と言えば相出刃になりますし、同じような包丁でも他のところでは「いや、舟行包丁だ」と言えば舟行包丁として売られています。
 

小出刃包丁、鯵切り

小出刃包丁は、本出刃包丁をそのまま小さくした包丁です。刃渡りは9センチから10数センチと短めですが、同じ大きさの包丁と比べると頑丈ですし重たいです。魚の中骨ごと切る、鳥の細い骨ごと切るなど、本出刃包丁と全く同じように使うことができます。
 
鯵切りは、名前の通り鯵のような小さな魚を捌くための出刃包丁です。小出刃と見た目は変わりませんが、その分刃厚は薄めになっています。刃が分厚いと小さな魚を捌きにくいからです。
 
この他にも、カニを捌くための出刃包丁、季節ものの鮭や鱒を切るための出刃など、色んな種類があります。
 

出刃包丁の扱い方

乱暴に扱われるイメージがあるせいか、出刃包丁は雑に扱っても良いと考えてしまう方がいます。もしくは、出刃包丁は頑丈だからどんなふうに扱っても刃こぼれなんてしないと思っている方もいます。しかし、そんなことはありません。
 
出刃包丁は、その他の包丁とは比べ物にならないくらいに頑丈です。しかし、適当に扱っているとすぐに刃こぼれを起こしてしまいます。魚を骨ごと切ったり、細い鳥の骨ごと両断したりといったことを続けていると、切れ味はすぐに鈍ってしまうのです。
 
切れ味が鈍ると上手に切れなくなるので、その分力を入れたり、乱暴に扱って無理に食材を切ろうとします。すると切り口が悪くなり、更に切れ味が鈍り、と悪循環を続けると、どんなに良い包丁を持っていてもすぐに壊してしまうことに。
 
それを防ぐためには、定期的に出刃包丁のお手入れをする必要があります。出刃包丁は切れ味が鈍くて良いことなどありません。良く切れる出刃包丁なら刃こぼれすることもなく、無理に体重をかけたりすることもなく一息でスパッと食材を切ることができます。そのため、料理の手間も安全性という面から見ても日常的に包丁を研ぎ、切れ味を保っておくことが大切なのです。
 
また、特に魚を骨ごと捌く機会の多い方は、魚を捌く時適当にやるのではなく、一度魚にはどういうふうに骨があって、どういうふうに身がついているのかを考えてみると良いでしょう。
 
刃を入れる位置や角度によって、同じ魚でも切りやすい場所、切りにくい場所というのがあります。切りにくい場所ばかり選んでいると、出刃包丁でもなかなか切ることができず、大変です。魚の構造を考えるのは面倒かもしれませんが、特殊な魚以外は捌き方に大して違いはありませんので、覚えてしまいましょう。一度覚えると色んな魚を綺麗に捌けるようになるので、おすすめです。
 

初めての出刃包丁の選び方

出刃包丁出刃包丁は魚を捌きたいなど、挑戦したいことがある時に購入してください。三徳包丁の代わり出刃包丁を使いたいと思っても、重いですし使いにくいので決しておすすめはできません。
 
では、初めて出刃包丁を買う時はどんなポイントに気をつければ良いのでしょうか。
 
出刃包丁を買う時に最初に考えるのは、材質です。鋼のものが良いのか、ステンレスのものが良いのか、大きく分けるとこの二つです。ステンレスの方が見た目も綺麗ですし、錆びないので良いだろうと思うかもしれませんが、できれば鋼のものを選んで下さい。
 
理由は一つ、ステンレスよりも鋼の方が研ぎやすいからです。包丁というのは、使う人によって自分なりの刃付をしていきます。刃先と根本の部分で切れ味を変えたり、頑丈さを優先して刃の角度を厚めにしたり、そういった手間暇が使い勝手に繋がるのです。
 
魚を捌けば鋼だろうとステンレスだろうと切れ味は鈍ります。ならば最初からお手入れのしやすい鋼のものを選んだ方が良いです。
 
家庭用に使うのでしたら、小出刃か相出刃など小さめサイズのものを選びましょう。出刃は材料をたくさん使う分高価ですので、少しでも安く良いものを手に入れたいのであれば、小さめのものを探すのが一番です。